“平成21年度 観光関係人材育成事業”
異文化コミュニケーションスキル研修(大阪)


日時   2010年1月16日(土)・17日(日)

講師:ランデル洋子・島田秀夫・森吉慶輔  










   初めにランデル洋子理事長から、1)自分の文化を知る、2)相手のルールを見抜く、3)柔軟姿勢・自由発想をもつ、4)表現方法を改善する、5)新しい融合法を見いだす、という5つの目標が掲げられました。文化の違いを乗り越えて相手とのコミュニケーションを図るには、まず相手と自分の文化の差に気づくことが必要であり、そこから相手との接し方を知り、自分がどう行動すればいいのかを見つける、というAh!→Aha!→Ahaha!のプロセスがあることを学びました。
 異文化とは具体的に何が違うことなのか。価値観・習慣・衣食住・行動パターン・イメージなど、人には目に見えない部分が9割もあります。時間をかけてそれらを理解していくためにコミュニケーションが必要なこと、わからないときは質問する、「言わなくてもわかる」という思いこみは双方の行き違いを生むおそれがある、というごく基本的なことが本当に大切であることを実感しました。また、思わぬハプニングを乗り切るのは常に笑顔だという森吉講師の経験談が印象的でした。
 みほこさん(認める、褒める、肯定する)の状態を基本姿勢に据えて、ストレートでわかりやすい表現、数字、ジェスチャーを交える、わかってもらえたか確認するといったポイントは、ガイド業務を確実に進めていくためにとても役立つと思われます。また、自分からワンステップ進んで話を展開するための話題や、交流を深めるきっかけになるジェネラルクエスチョン、相手の文化に合ったパフォーマンスなどを日頃から使える形にしておく必要があります。
 2日目は英語の表現例や通訳ガイドロールプレイを交えて、相手の気持ちを傷つけずに状況改善を図れるアサーティブ表現、トラブル対処時に相手の言うことを確認しながら聞くことで相手を味方につけるアクティブ・リスニングなどを勉強しました。
 通訳ガイドにとって不可欠な、スムーズで質の高い仕事をするためのコミュニケーション術が一杯詰まった2日間でした。

アンケート抜粋

  • 具体的なロールプレイは明日からすぐ使えるヒントばかりで、本当に勉強になりました。テキストが素晴らしく、異文化コミュニケーションについて勉強を続けていきたいと思います。異文化に接した時に感じる違和感を乗り越えて、お客様にご滞在を楽しんでいただくための様々なスキルを学ばせていただきました。
  • 就業を目指しながら、仕事としてやっていけるのか非常に不安な気持ちでおりましたが、この研修に参加し、自分のすべきことが見えてきた気が致しました。勇気とやる気を与えてくれるレクチャーでした。ありがとうございました。
  • 通訳ガイド団体によるこういった研修は、普段の業務に活かすことができ、自分のガイディングの仕方、表現を修正できるきっかけになり、大変役立ちます。今後もこのような、特に実例とケーススタディを交えた、すべての参加者が応用力を高められる機会の充実を強く希望致します。
  • 通訳ガイドの研修、高価なものが多くなかなか参加できなかったので、こういう無料の研修は非常に嬉しかったです。ありがとうございました。