第5回 サミー塾

日時   2010年5月5日(水・祝)

講師:谷田 悟  








    関西では初の第5回Sammy塾が大阪.梅田で実施されました。“古い日本と新しい日本、その人々を語り、社会体制の仕組みを考える”と題して、午前中は江戸時代末期から明治維新、午後は維新後第二次世界大戦までの日本の変容についての講義でした。参加者によるデモとGICSS恒例の全員参加の実習で、ますます熱く日本の近代史への洞察を深めるきっかけとなる研修となりました。
 明治維新については、大河ドラマの竜馬伝と同時代の出来事が、あっと驚く楽しい話も交えながらいきいきと語られました。 維新後の日本についても、戦争、欧米諸国や中国・朝鮮との関係を踏まえながら歴史の流れを理解しやすく講義していただきました。
 今回の研修では、講師と“塾”生がお互いに意見を出し合いながらガイドテキストを作ってゆくという、知識が湯水のごとく溢れる谷田先生の“塾”ならではの緊張感もあるinteractiveな時間が大変おもしろかったので、一部紹介させていただきます。例えば明治維新は、重要項目を7つ列記し、最重要の2 項目を中心に、Sammy先生が何時間も熱弁をふるわれた内容を、英字新聞のような簡潔な文にまとめました。 

【明治維新】
1)鎖国の放棄(Perry 来航による)
2)幕府の政治独占権の放棄(他の大名の意見伺い)
3)混乱(Xenophobia)
4)朝廷の取り込み
5)大名と朝廷の結びつき
6)英国・その他との戦争(現実の把握:薩英戦争ー和睦ーロンドンに留学生))
7)倒幕・天皇を中心にした新国家の建設

“Bakufu, not being able to resist foreign pressure and forced to abandon its seclusion policy, was accused by other feudal loads (by some powerful feudal lords), who ultimately decided to establish new political system (new nation state/modern nation state) headed by the emperor.”

簡潔に講義中にまとめられたテキストですが、谷田先生いわく、これはまだ、未完成であり、ガイドは与えられた時間やタイミングで上記の項目に肉付けをし、完成度を高めてゆかねばならないとのことでした。 “もっと深く日本史を知りたい!” 改めてSammy先生の深い知識と軽妙な語り口に魅了された研修でした。
(レポート:J.N.)

アンケート抜粋

  • サミー先生の話は聞いている者にワクワクさせるようなものでした。その理由を良く考えてみたいと思います。広い知識と、相手に今何を話せば良いのかに関する適切な判断、ユーモアのセンスがあげられると思います。(K.N.) 
  • 日本の歴史ばかりでなく、それぞれのタイミングでの世界との関係を知っておくことも重要と改めて感じました。(M.K.)
  • ガイドとして日本の歴史に関わる話をする時は、奈良時代から江戸時代の間のトピックスになってしまうが、今日のサミー塾では、幕末から近代史についての話だったため、自分にとって非常に新鮮であり、かつ近代史の話し方、説明の仕方の要領を的確に学習できたと思う。今日学んだことをベースにして自分なりに肉付け、味付けができればいいと思う。—今後のテーマです。(M.M.)
  • 講義を通じて、分りやすい説明をするには、どのような準備が必要か分ったような気がします。豊富な背景知識を持って、話すことの優先順位を付け、結論を明確に示すことで、説得力のある話ができると思いました。話が進めば進む程、またQ&Aを通じて先生の幅広い知識に感銘を受けました。次回のサミー塾を期待しています。(Y.I.)