受付には役者の楽屋を思わせるのれん、大きな折りヅルが置かれた和風カウンターでは浴衣姿のスタッフ、そして、会場内では和風BGM、役者の屋号が書かれた和風スタンドが置かれるなど、情緒あふれるセッティング。定員を上回るまさに満員御礼の大入りでした。
プレゼンターは、GICSS会員の歌舞伎通で有名なお二人。細沼さんは涼しげな着物姿、城戸さんは花道に見立てた通路から「待ってました!」の掛け声とともに登場され、二人の掛け合いでテンポよく歌舞伎の歴史から、演目の種類別等の比較考察、役者と裏方、劇場と舞台の特徴、音楽に至るまでわかりやすく説明していただきました。
テキストは必要事項がバランスよくカバーされ、初めて歌舞伎について学ぶ方にも理解しやすく、会場からの質問も、外国人のお客様に喜ばれる演目は?急にお客様を歌舞伎へお連れする際にチケットの手配は可能か?等、ガイディング時に役立つ情報が満載でした。
お芝居志向のプレゼンテーションがあり、ランデル洋子先生も特別出演!楽しいクイズの正解者には細沼さんが銀座の老舗で仕入れてこられたこだわりの賞品もありました。
GICSS定番の、学んだ後は速実践。「これで皆さん一回は歌舞伎のガイディングを経験しましたね」と、松岡明子先生。実際に仕事を始めると、このような発表の機会に恵まれる大切さをつくづく感じます。同じ志を持つ方たちと交流し、気持が新たになります。
(金子美樹)
(アンケートより抜粋)
- 本には書いていない、例えば「1階席の客は声をかけない」など、素人には絶対わからない事を教えていただきました。テキストも「江戸と上方」といったような比較もされていてずっと大切にしたいテキストです。新人研修以来、久々に出席させていただきましたが、みなさん非常に勉強されていてさぼりかけていた自分に刺激を与えられました。細沼さんと城戸さんのように専門的な知識をお持ちなのは、素晴らしいです。(M.F)
- プレゼンテーターが工夫を凝らして頑張っている姿を見て、私もがんばろうという気持ちになりました。歌舞伎が近い存在に感じられます。特に裏話が面白かったです。四谷怪談の演出に脱帽。見習いたいです。演出は大切ですから、私も工夫したいと改めて思いました。お二人の掛け合いがいい感じでした。(I.K)
- 細沼さんと城戸さんの歌舞伎の造詣の深さに驚かされました。歌舞伎と西洋の演劇の違いは、歌舞伎は「役者」を見に来るためにできたもの、という点でした。そのために花道や見栄などの独特のものが発展したのだと。もっと深く学びたいと思いました。(M.N)
- 細沼さんと城戸さんの“あうん”の呼吸での掛け合い方式のプレゼンテーションがとても自然で良かったです。大事な点を漏らさずに取りあげて下さり、断片的な知識をつなぎあわせる事ができました。また、歌舞伎が見たくなりました。(K.S)
- まず、細沼さんと城戸さんの豊富な知識に感銘を受けました。自分も何かひとつでも得意な分野を持ち、ガイディングに活かしていきたいと強く感じました。日本の文化のエッセンスを多く含む歌舞伎が分かればお客様にもっと深く日本の文化の真髄をお話できるのではないかと思います。奈良から参加させていただいた甲斐がありました。(M.T)
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