8月を過ぎても残暑厳しい京都。晴れ渡る青空のなか、全国から熱気溢れる25名の参加者が抹茶の産地・宇治に大集合。午前は、東京から和服姿が上品で品位溢れる裏千家準教授・
宝来講師をお招き致しました。茶の湯の本質、茶会に外国人ゲストをお連れする際の通訳ガイドとしての心得、お点前でもてなして下さる亭主との上手な接し方についてご指導頂きました。また、実際の英語ガイドデモは地元関西の人気通訳ガイド・吉崎講師が担当されました。そのシンプルで流れるような説明に、お客様気分で熱心に聞き入る参加者も多かったのではないでしょうか。この座学で、茶の湯とは「単なるセレモニーではなく、茶を介した亭主と
主客の心の交流」だと分かり、参加者一同、改めて日本文化の奥深さに感動いたしました。
午後は、お茶のことを深く学ぶべく、宇治でも屈指の老舗・丸久小山園の抹茶製造工場へ。
「伝統」の中にも近代的な技術を取り入れた工場で製造される数々の宇治茶。特に興味深かったのは抹茶の製造工程です。栽培+茶摘後、荒碾茶製造、精撰加工(選別、風力選別、ふるい、乾燥など)を経て石臼挽きへ。光を嫌う抹茶専用の真っ暗な工場では、徹底的な温度管理の下、約1時間かけてじっくり石臼で抹茶を挽くのです。これで、葉緑素を豊富に含んだ鮮やかな緑色の上等な抹茶が完成します。抹茶を飲むまでこんなに沢山の工程があり、しかも随所に
「巧」が最高品質を支えていることを、小山園・社長自らが熱くご説明下さり一同感激しつつ、多くの方々との出会いに心から感謝いたしました。
<中山浩恵>
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アンケート抜粋
- お茶室でのマナーとエチケットを詳しく知ることができて良かったです。お点前をする方をたてて、お伺いをし、ご指導を仰ぐことが大切で、ガイドがでしゃばった行動をしないようにという講師の方のお言葉は目からうろこが落ちる思いでした。(H.K.)
- 座学では茶の湯の本質について改めて学ぶことができ、又、ガイドのコツや歴史なども大変分かりやすく説明してくださり、勉強になりました。工場見学では、茶葉から抹茶が出来るまでの工程を学ぶことができ、大変有意義な体験が出来ました。(H.D.)
- 抹茶が煎茶に比べ高い理由がよく分かりました。伝統を守り伝えて行くのには、もうけや利益を度外視した使命感や情熱が必要だと思いました。しかし、とても誇り高い仕事でもありますね。お茶に込められた心を少しでも正確に伝えられるよう頑張ります。(N.Y.)
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