通訳ガイドコンベンション

設立20周年記念 第4回通訳ガイドコンベンション
後援:観光庁・日本通訳案内士団体連合会

日時:9月1日(日) 13:30~16:40 会場:東京ウィメンズプラザ 大ホール

5年に一度の「第4回通訳ガイドコンベンション」が、GICSS設立20周年を記念するイベントとして、会員やスタッフ皆さまの思いのこもったイベントとして開催されました。 大型台風で開催も危ぶまれ、来場者の一部はオンライン視聴に切り替えるチョイスも活用するなど安全確保の上、予定通りすべてのプログラムが無事に終了しました。


第一部 開会の辞:GICSS理事長 ランデル洋子

創設期からの会員である元理事、金子潤フェロー会員によるテンポの良い司会進行により、まずは理事長よりご挨拶を申し上げました。

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会員他多くの皆様からのご支援にまず感謝の言葉があり、GICSS設立に至った理事長と副理事長出会いの秘話エピソードから始まり、GICSSの発展の歴史、そして今後にむけての方針が語られました。 中でも2016年から開始した「通訳ガイドアカデミア(映像教材)」の制作は100コースを超え、今夏に19回目を迎えたった「GICSS検定」では、ガイドの技術の進捗レベルを数値化し見守る制度の構築が目指され、また、かつてより行っていた「インバウンド旅程管理研修」を、外国人客対応に向けた専門研修「ITC研修(Inbound Tour Conductor)」の形に深めたことなどが特出事項でした。

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今後の方向性としては、「顧客満足に視点をおいた効果的な手法」開発に注力して会員を支え、
1. AIを活用しつつ、温かい心でお客様に寄り添い包むプロフェショナルな
 通訳ガイドを目指す。
2. 多様性の進む現在、それぞれに優秀なガイドが増えて、日本全体のガイド
 レベルが上がり、世界トップレベルとなるよう貢献したい。
3. 後進を育成する高レベルの講師を育成し、通訳案内士の業務拡大にも
 繋げる。
以上3点が目標として掲げられました。


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来賓祝辞 (登壇順)

日頃ご支援頂いている皆さまより、通訳ガイド業務の重要な意義について、そして「時代を担うGICSS」「共にインバウンド業界を盛り上げたい」等のお言葉を頂きました。


  観光庁国際観光部国際観光課課長 飯田 修章 様
  (株)JTBグローバル統括本部 訪日インバウンド共創部部長 藤本 信 様
  日本通訳案内士団体連合会 会長 米原 亮三 様



基調講演:「本当に伝えたい日本海外の人々が描く日本の姿と通訳案内士の役割
     株式会社ステライノベーションズ代表取締役ノンコビック・マリオ氏

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自己紹介部分からプレゼンテーションの技が光る、素晴らしい講演に会場が息を呑むプログラムが、貴重な映像を含めて語られました。


●外国人から見て、観光客の心が揺さぶられる(唯一無二の)ポイントとは:
1.Tradition & Heritage(伝統)時を超え受け継がれている伝統を知ること
2.Art & Culture(芸術と文化)日本のきめ細やかな心遣いに遭うこと
3.Gastronomic Experience(食体験) 味わいだけでなく文化をになう点
4.Traveling with Style(洗練された移動手段)この国の息を呑む美しさと出会うこと
5.Luxury Accommodation(和モダン) 自然と調和されたくつろぎの時間に心を鎮めること


●通訳案内士に対して感じることは:
外国人観光客の日本の印象を左右する重要な役割を担うため、外国人観光客の旅を、綿密に計画し実行する必要があること。 そのためには、外国人観光客の好みに沿った旅程作りが大切で、全体を通じてコミュニケーションが第一義のスキルである。
●日本の通訳案内士は:
正確な知識に加え情熱と経験を備えていると感じられるが、一方で正確な発信にこだわり過ぎて、話し手の個性が伝わり難いようでもある。
●ガイディングは:
・「何を(What)」だけでなく、「どのように(How)」伝えるかも重要
・リップロール、タングトリルなどの身体訓練も取り入れよう
予定時間を超えての熱の入ったコンテンツ、学びの多い講演をいただきました。

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講義と実演:「日舞&歌舞伎の魅力」 西川流日本舞踊家 西川箕乃三郎氏

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わかりやすい解説と所作を交えての中身の濃い30分は「日本舞踊への興味が高まった」「お客様にご案内する参考になった」と大好評でした。
歌舞伎や日本舞踊の歴史を解説され、とくに日本舞踊においては、歌舞伎の舞踊の部分に特化したもので、衣装無しで紋付き袴だけで踊る「素踊り」をご披露下さいました。 雨や風もなども踊りで表現するのは、日本舞踊の特徴の一つで、特に扇の使い方実演には感動のざわめきが会場に溢れました。
また、伝統を守りつつ、時代に合わせた進化も大切であると考えられている意欲的な若手舞踊者の一面に魅了された参加者も多かったのはないでしょうか。 令和に生きる者として様々な挑戦を展開したいと、YouTubeでも公開されているJ-popのYOASOBIの曲に振り付けた踊りもご披露くださり、会場は圧巻の余韻に浸りました。

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TOTO株式会社・GICSSコラボレーション研修について


同社とGICSSは、日本の先進技術の商品例として外国人観光客への話題提供に役立つ研修を展開してきました。今後とも定期的に開催する旨が発表されました。



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第二部:来賓おことば


GICSS創設期からパートナーシップを組んで、業界の発展に貢献してきた(株)CEL英語ソリューションズ 最高経営責任者 曽根 宏氏より「プロこそ自己研鑽が重要。通訳ガイドにとってのそれはGICSSであり、研修の質の高さは皆さんがご存じ」と、心強いエールを頂きました


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ワークショップ「Before and After ガイディング技術、進歩の鍵を探る」

会員の皆さまから投稿頂いた100近いガイド現場の失敗談・成功例事例を分析が、全体で9項目に分類されて発表されました。 実現性の高い、ガイドスキル向上にむけての役立つ提案が共有され、“研究会”であるGICSSの本領発揮の意義深い場となりました。 投稿者の中から村瀬隆宗会員ほか5名がステージ登場、台風で来場参加が叶わなかった2名もZoom登場頂き、ご自身の声で伝えて頂きました。
さらにファシリテーターと登壇者とで、名付けてGICSSオリジナル練習手法の「Talk Train」にも挑戦の実演がされました!話を繋げる、トークを膨らませる技術を振り返る機会となりました。 「Talk Train」は、その後、C.C.Lightセミナーなどでも実施され、効果が実証されています。 皆さまもガイド仲間同士で挑戦してみてはいかがでしょう!

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閉会の辞:GICSS副理事長 松岡明子 / 溝口誠

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楽しく、また実に学びが多い通訳ガイドコンベンションは、最後に副理事長お二人の熱いメッセージで閉会となりました。
溝口副理事長からは次回第5回を目指して前進する決意の言葉があり、松岡副理事長からは、15年前から開催してきた第1回から今回4回目のそれぞれのGICSSの取り組みを象徴するテーマを振り返りました。 ①磨き合おう技術を、分かち合おう知識 ②通訳ガイドに求められるコミュニケーション力 ③美しい日本、輝くガイド ④シン通訳ガイドを目指して、とガイドのスキルアップを求めてきたGICSSでしたが、研修だけでなく、インバウンド業務資格認定やGICSS独自の検定制度の継続を通してガイドの後押しと伴走をめざすこれからのGICSSを標榜して閉会となりました。

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第3回通訳ガイドコンベンション

2019年9月1日(日)、東京ウィメンズプラザ大ホールにて、GICSS設立15周年記念 第3回通訳ガイドコンベンションが開催されました。

「美しい日本!輝くガイド!」をテーマに、世界に誇れる通訳ガイド像をご参加の皆様と共有しながらガイド力アップのコツやヒントを楽しく学びました。会場は総勢160名を超えるご来場者で満席となり、一人ひとりが通訳ガイド業務に関するホットな話題や業界で高く評価されているGICSSガイド研修の新メソッドに触れる機会を持つことができました。

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午後0時30分、ランデル洋子理事長によるご挨拶でコンベンションが始まりました。GICSS研究会の15年間の歩みについてランデル理事長にお話いただきました。続いて、ご来賓の観光庁参事官 小熊弘明様、株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベル代表取締役 黒澤信也様よりご挨拶をしていただきました。基調講演では「世界に通じる通訳ガイドのおもてなし」をテーマに、おとなの寺子屋縁かいな代表 上田比呂志様のご自身の体験を交えたお話を出席者一同拝聴いたしました。その後行われたパネルディスカッションではJTBGMT西日本 山本哲也様、ケイエム観光バス株式会社 中村充治様、ホテル椿山荘東京 松本耕様を迎え、ファシリテーターの松岡明子副理事長を交え、仕事のパートナーとして見た理想の通訳ガイド像、異業種間で仕事の進める上での悩み、相談、提案など、普段なかなか口にできない本音のご意見を忌憚なくお話していただきました。

後半は冒頭、会場が暗転し、神楽坂サムライ道場のパフォーマンスが始まりました。予想もしなかったサプライズ登場に会場全体が拍手喝采につつまれました。そして、全国各地の通訳ガイドからのビデオレターの紹介があり、臨場感あふれるガイディング映像に出席者全員が釘付けとなりました。そして、映像に写っていた福田誠ガイドがステージに登場し、生で見るガイディングを披露していただきました。

「キャラ別ガイド紹介」のコーナーでは、福田ガイドに続いてGICSSの谷田講師、芹田講師、会員の浅井様、薮様にご登場していだきました。自分の得意とする分野をテーマにモデルガイディングを披露していただきました。

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締めくくりのクイズ大会では、ガイディングにまつわる難問奇問に皆さん果敢に挑んでいただきました。和やかな雰囲気となったところで松岡副理事長より閉会のご挨拶となりました。東京オリンピックを来年に控え、いま通訳ガイドに求められているのは単なる知識情報の発信力だけでなく、お客様はもとよりビジネスパートナーや周囲の人的環境をつなぐコミュニケーション力、おもてなしの心であることを改めて認識できた有意義な日となりました。今回、関係各社の方々やGICSS会員の皆様のご理解、ご支援をいただき、このコンベンション開催を実現することができました。そして、このような機会を与えてくださったご来場の皆様、ご来賓、ご出演の皆様、ならびにスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。

第3回通訳ガイドコンベンション記録冊子等

第3回通訳ガイドコンベンションの記録冊子、媒体掲載記事はこちらをご覧下さい。

過去の通訳ガイドコンベンション

第2回以前の通訳ガイドコンベンションについては、こちらをご覧ください。

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